台北を旅するなら、MRT(台北捷運)を使えるかどうかで行動範囲がまるで変わります。主要な観光地はほぼMRTでつながっており、料金も安く、時間も正確です。
日本の地下鉄と仕組みはよく似ているので、身構える必要はありません。ただし車内での飲食が罰金対象であるなど、日本と違うルールもあります。この記事では乗り方の手順に加えて、知らないと困る現地のルールまで解説します。
台北MRTの路線を把握する
台北MRTは色と番号で管理されています。路線図では色を見れば判断でき、駅名が読めなくても番号で位置が分かる仕組みです。
| 路線 | 色 | 主な駅 | 観光での使いどころ |
|---|---|---|---|
| 淡水信義線 | 赤 | 台北駅・中山・台北101・淡水 | 最重要。台北101も淡水もこれ |
| 板南線 | 青 | 台北駅・西門・忠孝復興・市政府 | 西門町や東部エリアへ |
| 松山新店線 | 緑 | 松山・中山・西門 | 饒河街夜市・永康街方面 |
| 中和新蘆線 | 橙 | 中山國小・行天宮 | 寧夏夜市・行天宮へ |
| 文湖線 | 茶 | 松山機場・動物園 | 松山空港・猫空ロープウェイ |
| 桃園空港線 | 紫 | 台北駅・桃園空港 | 空港アクセス専用 |
観光で最もよく使うのは赤(淡水信義線)と青(板南線)です。この2本を覚えておけば、台北の主要スポットの大半に行けます。乗り換えの拠点は台北駅で、赤・青・紫の3路線が交わります。

悠遊カードと1回券、どちらを使うか
| 悠遊カード | 1回券(トークン) | |
|---|---|---|
| 料金 | 2割引 | 正規運賃 |
| 購入 | 駅窓口・コンビニ | 券売機で毎回 |
| 使える範囲 | MRT・バス・コンビニ | MRTのみ |
| 改札 | タッチするだけ | 入場時タッチ・出場時投入 |
| おすすめ度 | ◎ | △ |
結論として、悠遊カードを買わない理由はほぼありません。運賃が2割引になるうえ、バスやコンビニでも使えます。1日に3回乗れば、それだけでカード代の元が取れる計算です。
1回券は青いプラスチック製のトークン(コイン型)で、入場時は改札にタッチ、出場時は投入口に入れます。日本の切符と勝手が違うので、初めてだと戸惑います。
購入方法やチャージは台湾の悠遊カード完全ガイドで詳しく解説しています。
乗り方の手順
1. 改札を通る
悠遊カードを改札機のセンサーにタッチします。残高が不足していると通れないので、事前にチャージしておいてください。
2. ホームを確認する
案内表示には終点の駅名が書かれています。「淡水行き」「象山行き」のように表示されるので、自分の目的地がどちら方向かを路線図で確認してからホームへ降りてください。
ホームの床には乗車位置を示す線が引かれています。降りる人が優先なので、線の外側で待つのがマナーです。
3. 車内で待つ
次の停車駅は電光掲示板と車内アナウンスで案内されます。中国語・台湾語・英語の順でアナウンスされるので、英語を聞き取れば十分です。
4. 改札を出る
出場時にもカードをタッチします。この時点で運賃が引かれ、残高が表示されます。
料金の目安
距離に応じた運賃制で、20〜65元の範囲です。悠遊カードならここから2割引になります。
| 区間の例 | 目安運賃 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 台北駅 → 西門 | 20元 | 約3分 |
| 台北駅 → 中山 | 20元 | 約2分 |
| 台北駅 → 台北101/世貿 | 25元 | 約15分 |
| 台北駅 → 松山(饒河街夜市) | 25元 | 約12分 |
| 台北駅 → 淡水 | 50元 | 約40分 |
市内の移動なら1回20〜30元、日本円で100〜150円程度です。1日に5回乗っても600円ほどで、交通費は非常に安く済みます。

日本と違うルール
車内・駅構内での飲食は禁止
台北MRTでは、改札内での飲食が罰則の対象です。これは水やガムも含みます。日本の感覚でペットボトルの水を飲むと、注意されるだけでなく罰金を科される可能性があります。
改札を通る前に飲み物を飲み切るか、カバンにしまってください。台湾はドリンクスタンド文化が根付いているため、タピオカドリンクを手に持って改札に向かう人をよく見かけますが、車内では飲めません。
優先席には座らない
濃い青色の座席が「博愛座(優先席)」です。台湾では優先席に対する意識が非常に強く、空いていても健常者は座らないのが一般的です。車内がガラガラでも博愛座だけ空いている光景は珍しくありません。
知らずに座ると周囲から視線を向けられることがあります。避けておくのが無難です。
エスカレーターは右側に立つ
台北では右側に立ち、左側を歩く人のために空けるのが習慣です。東京と同じですが、大阪の逆になります。
乗り換えのコツ
乗り換え駅では、天井の案内表示に路線の色が示されています。自分が乗りたい路線の色を追って歩けば、駅名が読めなくてもたどり着けます。
台北駅は3路線が交わる大きな駅で、通路も長くなります。乗り換えに5〜10分かかることを見込んでおいてください。
また、出口番号は必ずメモしておくことをおすすめします。大きな駅は出口が10か所以上あり、間違えると地上で長い距離を歩くことになります。事前に地図アプリで目的地に近い出口番号を調べておくと迷いません。

運行時間
始発は6時前後、終電は0時前後です。夜市を楽しんでいると終電を逃しやすいので注意してください。深夜になった場合はタクシーかUberを使うことになります。
朝夕のラッシュ時は混雑しますが、日本の首都圏ほどの混み方ではありません。大きなスーツケースを持っての移動も、時間帯を選べば可能です。
よくある失敗
改札内で飲み物を飲んでしまう
最も多い失敗です。日本では当たり前の行為が、台北では罰則の対象になります。改札を通る前に飲み終えてください。
出口番号を確認せずに地上へ出る
反対側の出口から出てしまい、目的地まで10分以上余計に歩くことになります。地下にいるうちに出口番号を確認してください。
悠遊カードの残高不足に気づかない
改札で止められて後ろの人を待たせることになります。残高は改札を出るときに表示されるので、こまめに確認する習慣をつけてください。チャージは駅の券売機やコンビニでできます。
1回券を出場時にタッチしようとする
1回券のトークンは、出場時は投入口に入れます。タッチではありません。改札機の前で立ち止まってしまう人が多いポイントです。
よくある質問
悠遊カードは1枚を複数人で使えますか?
MRTでは使えません。1人1枚必要です。バスでは人数分を連続でタッチできる場合もありますが、MRTは改札を1人ずつ通る仕組みなので不可能です。
1日乗車券はありますか?
1日乗車券は販売されていますが、1回あたりの運賃が安いため、よほど乗り回さない限り悠遊カードのほうがお得です。1日に8回以上乗るような日程でなければ、悠遊カードで十分です。
日本語の案内はありますか?
駅の表示は中国語と英語が中心です。ただし駅名の多くは漢字なので、日本人にとっては読める部分が多く、大きな不便はありません。券売機は英語表示に切り替えられます。
スーツケースを持って乗れますか?
問題ありません。エレベーターも各駅に設置されています。ただしラッシュ時は混雑するので、大きな荷物がある場合は時間をずらすと快適です。
Suicaは使えますか?
使えません。台湾では悠遊カードなど現地の交通系ICカードが必要です。到着後に空港や駅で購入してください。
まとめ
- 悠遊カードを買う(運賃2割引・バスでも使える)
- 覚えるのは赤(淡水信義線)と青(板南線)の2本
- 改札内は飲食禁止。水も不可
- 濃い青の優先席には座らない
- 出口番号を事前に調べておく
MRTを使いこなせれば、台北の移動で困ることはほぼなくなります。空港からのアクセスは桃園国際空港から台北市内への移動を、旅程の組み立ては台北2泊3日モデルコースをご覧ください。夜の予定には夜市ガイドもどうぞ。
運賃・運行時間は改定されることがあります。訪問前に台北捷運公司の公式サイトで最新情報をご確認ください。



