九份(ジウフェン)は、台北から日帰りで行ける山あいの街です。赤い提灯が連なる石段や、斜面に張りつくように建つ古い建物で知られています。ただ、九份は「何時に着いて、何時に帰るか」で満足度が大きく変わります。この記事では、行き方の比較よりも、半日の行程を逆算して組み立てる考え方を中心にまとめました。
バスの経路と運行会社は台湾のバス情報サイトで確認しました。運賃は公式の運賃検索で個別に確認できなかった項目があるため、金額は目安として書き、確認方法を添えています(確認日:2026年9月19日)。屋台やお茶の価格は店と時期で変わるため、載せていません。
九份とはどんな場所か
九份は台湾北部・新北市にある山あいの街で、日本統治時代には金鉱の街として栄えました。鉱山が閉じたあと一時さびれましたが、1989年公開の台湾映画「悲情城市」の舞台になったことをきっかけに、観光地として注目されました。
日本では、映画「千と千尋の神隠し」の舞台の連想で語られることがあります。ただし、制作側が九份をモデルにしたと明言しているわけではないとされます。赤提灯が並ぶ風景が作品の雰囲気と重なるため、そう語られてきたと理解するのが実態に近いです。

帰りから逆算して、1日の行程を決める
九份で計画が崩れやすいのは、帰り道です。日没後に観光客が一斉に帰り始めるため、台北方面のバス停に行列ができやすいとされます。そのため、「何時に九份を出るか」を先に決めて、そこから逆算して到着時刻と台北の出発時刻を決めるのが確実です。
| 順序 | 決めること | 考え方 |
|---|---|---|
| 1 | 日没時刻を調べる | 季節で大きく変わる。訪問日の日没時刻を天気予報サイトで確認する |
| 2 | 提灯の点灯を見る時間を決める | 日没の前後に街に着いているように逆算する |
| 3 | 台北から九份までの移動時間を引く | バスは道路状況で大きく変わるため、余裕を持って見積もる |
| 4 | 九份を出る時刻を決める | 行列を避けるなら、帰りが混み始める前に切り上げる |
| 5 | 帰りの手段を先に決める | バスか、瑞芳駅まで出て台鉄か。到着してから考えない |
到着時刻の目安は、日没の1〜2時間前です。明るいうちに街を歩いて全体をつかみ、そのまま空の色が変わっていく過程と提灯に明かりが入る様子を見られます。逆に、午前中や昼過ぎに着いて帰ってしまうと、九份の魅力の多くを占める夕暮れ以降の景色を見られません。
週末や祝日は、平日より石段が混み合い、歩くのに時間がかかります。日程に余裕があるなら平日を選んでください。
台北から九份への行き方
| 方法 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| バス1062番 | MRT忠孝復興駅から九份・金瓜石方面へ。基隆客運が運行。乗り換えなし | 乗り換えたくない人 |
| バス965番 | 台北客運が運行し、板橋・西門などの主要な停留所に停まったあと、瑞芳方面へ向かう路線として案内されている | 西門町など、忠孝復興以外の乗り場から出たい人 |
| 台鉄+バス | 台北駅から瑞芳駅まで台鉄、瑞芳駅から九份方面のバス | 帰りの行列を避けたい人 |
| 現地ツアー | ツアー会社による | 言葉が不安な人、効率を重視する人 |
バス1062番は、台湾のバス情報サイトで、忠孝復興駅と金瓜石を結ぶ路線として案内されています。運賃は旅行情報サイトで片道105元前後とされていますが、変更されることがあります。乗車前に、台湾バスの情報サイトの運賃・時刻表の機能で確認してください。所要時間は道路状況で大きく変わり、旅行情報サイトでは1時間半前後とされています。
台鉄を使う場合、台北から瑞芳までの運賃は、区間車(普通)で49元前後とされます。瑞芳駅から九份方面へは複数のバス路線があり、旅行情報サイトでは所要15分ほど、運賃15元ほどとされています。こちらも改定されることがあるため、実際に乗る前に確認してください。
台鉄やバスに乗るには、交通系ICカードが便利です。購入方法はカード自体の案内を確認してください。旅行全体の通信環境は韓国・台湾の通信手段にまとめています。

九份の歩き方:2本の道を押さえる
九份の中心は「基山街」と「竪崎路」の2本の道です。この2本を歩けば、観光の骨格はつかめます。
竪崎路:石段と赤提灯
九份の写真としてよく見かける風景は、この急な石段です。両側に赤提灯が吊るされ、夕暮れから夜にかけて明かりが灯ります。石段は急な箇所があり、雨の日は滑りやすくなります。歩きやすい靴で行ってください。
基山街:食べ歩きの通り
屋台や土産物店が並ぶ商店街で、竪崎路と交差する形で伸びています。九份の食べ歩きはここが中心で、名物として芋圓(タロイモの団子)や魚丸湯(魚のつみれスープ)がよく紹介されます。

茶藝館と展望スポット
石段沿いには茶藝館が並び、赤提灯に照らされた外観が九份を代表する風景になっています。外観を写真に収めるだけでなく、店内に入ると街と海を見下ろしながらお茶を飲めます。夕方以降は入店待ちになりやすいため、提灯が灯る前の時間に入ると落ち着いて過ごせます。老街から少し歩くと海を見渡せる場所もあり、混雑した石段から離れて静かに眺めたいときに向いています。
帰りの混雑を避ける3つの選択肢
- 早めに切り上げる:提灯が灯ってから1時間ほど楽しんだら帰路につき、行列のピークを避ける
- 瑞芳駅まで出て台鉄で帰る:台北方面のバス行列に並ばずに済む。九份から瑞芳駅まではバスかタクシーで移動する
- 遅くまで残る:夜遅くなると人の波が引き、提灯の下を静かに歩ける。ただし帰りの交通手段が限られるため、タクシーなどの手段を確保してから残る
翌日が早朝便の日程では、帰りに時間をとられる選択は避けてください。台鉄を使う案は、行列を避けやすい一方、瑞芳駅までの移動が別に必要になります。
天候と服装
九份は山の上にあるため、台北市内が晴れていても霧や雨になることがあります。ただし、霧に包まれて提灯の光がにじむ九份には、晴天時とは違う雰囲気があります。天気が悪いからと中止する必要はなく、折りたたみ傘と歩きやすい靴があれば楽しめます。標高があるぶん、夜は市内より冷えることがあるため、羽織るものを1枚持っていくと安心です。持ち物全般は台湾旅行の持ち物チェックリストにまとめています。
子ども連れ・荷物が多い日の注意
石段が急で、混雑する時間帯は人と人の間を縫うように歩くことになります。ベビーカーでの移動は難しいため、抱っこ紐を使うか、歩ける年齢の子どもと手をつないで歩く形が現実的です。大きなスーツケースを持ったまま九份に向かうのも避けてください。宿に荷物を預けてから、身軽な状態で出発するほうが、石段でも帰りの行列でも動きやすくなります。
現金と所要時間の目安
屋台や小さな店は現金のみの店が多いと考えて、現金を用意してください。九份だけで過ごす時間は、街歩きと食べ歩きだけなら2時間ほど、茶藝館でゆっくりするなら3〜4時間が一つの目安です。台北からの往復に時間がかかるため、半日は確保してください。
台北に戻ってからの夜は台湾の夜市もおすすめです。旅程全体の組み立ては台北2泊3日モデルコースを参照してください。
この記事の情報の出典
バスの路線・運行会社は、台湾のバス情報サイトの案内に基づきます。確認日は2026年9月19日です。
- 台湾バス情報システム(1062番の路線案内):https://www.taiwanbus.tw/
- 台湾観光庁日本語サイト:https://jp.taiwan.net.tw/
運賃(バス105元前後、台鉄区間車49元前後など)は旅行情報サイトの記載に基づく目安で、公式の運賃検索では個別に確認できていません。運賃改定やダイヤ変更は予告なく行われるため、訪問前に上記の公式サイトで最新情報をご確認ください。



